真教寺の歴史
当寺は、三宝山と号する浄土真宗本願寺派の寺院です。寺伝によれば、開基は黒田甲斐守の嫡子で、出家して真了法師と名乗り、文禄3年（1594）に江戸麻布宮村（現港区元麻布）に創建しました。寛永5年（1628）頃も麻布にあり、その後、浜町の本願寺（現・中央区東日本橋三丁目）の寺内に移りましたが、明暦3年（1657）の明暦の大火で焼失、万治年中（1658-1660）に本願寺と共に築地へ移転しました。
明治13年（1880）の文書によれば、当寺は本願寺内末寺の一寺で境内80坪余檀家36戸の寺容でした。ところが、大正12年（1923）9月1日の関東大震災で全焼後、仮本堂を建てて引き続き築地に寺を構えていましたが、昭和3年（1928）区画整理事業のため現在地に移転しました。同年には本堂や庫裡が落成しましたが、昭和20年（1945）5月25日の空襲により焼失してしまいました。現在の本堂は、昭和35年（1960）に建立されたものです。
真教寺のご本尊
・本尊の阿弥陀如来立像は、寛永7年（1630）に西本願寺より開山真了に下附されたもので江戸時代初期の作です。木造・玉眼・上品下生の来迎印を結んでいます。(上図)
・また当寺には、宗祖親鸞聖人が80歳の時の自作と伝えられる親鸞坐像、九条摂関家司田村采女正の作といわれる親鸞聖人室玉日姫君坐像、関白九条道家が作らせたと称する玉日姫父九条兼実坐像の三体を安置しております。(下図)
※当寺報恩講（11月23日）に開帳いたします。
※御本尊、御三体の写真は坂本万七研究所様にご撮影いただきました。